相続が発生した場合も、可能な限り速やかに不動産登記申請を行ったほうが賢明です。

被相続人は亡くなられているので、二重譲渡されることはないでしょうが、速やかに相続登記を行わない結果、必要のなかった手続きをとらなければならなかったり、相続人間で無用のトラブルを招いてしまうことになるかもしれません。

例えば、父が死亡した後、相続登記をしない間に子供が亡くなり(数次相続)、新たに子供の配偶者や孫が相続人となるので、戸籍、除籍謄本など収集しなければならない書類が増加することがあります。

実際、先日依頼を受けた祖母の相続案件でも、複数ある不動産の名義が、既に亡くなられている祖父と曽祖父名義のままだったものがありました。

この場合、祖母だけでなく、祖父や曽祖父の出生に遡る除籍謄本やその相続人の戸籍謄本まで必要となり、当初想定していたよりもかなり多くの手続きをとらなければならない事態となっています。

また、相続人間で遺産分割協議が成立して、遺産分割協議書も作成していたのに、相続登記をせず放置している間に協議書を紛失してしまうケースもあります。

そうなると、遺産分割協議書を再作成することが求められ、存命中の相続人だけでなく、後から死亡した相続人の相続人も含めて、全相続人に実印押印をもらわなければならなくなります。

相続人にすんなり承諾をもらえれば問題ないのですが、応じてもらえない相続人が出てくると、調停や訴訟にまで発展してしまうおそれもあります。

ですから、可能な限り速やかに不動産登記申請は行った方がいいのです。

もう一度、言います。

不動産登記申請は速やかに行いましょう!