6/27  司法書士の代理権に関する「和歌山訴訟最高裁判決」が出されました。

マスコミでも報道されていましたが、今後の司法書士の業務、特に債務整理(任意整理)に大きな影響を及ぼす内容となっています。

司法書士は140万円以内の争いについて、裁判上および裁判外の代理権が認められています。

任意整理を行う場合、司法書士会の見解は、依頼者が受ける経済的利益を基準にその140万円を判断していました(受益額説)。

例えば、債権者Aが債務者B(非商人)に対して「金300万円の貸金を3年後に一括払いする弁済計画案である場合」の紛争の目的の価額は、

300万円×0.05×3年 で計算し、450,000円 となるので、司法書士の代理権が認められることになります。

それに対して、今回の判決は単純に債権額の金額で140万円を判断することが採用されました(債権者主張額説)。

上記の具体例の場合なら、紛争の目的の価額は、300万円となるので、司法書士の代理権は認められないことになります。

よって、140万を超過する債務がある場合、全ての手続を司法書士に任せることができなくなるわけです。

 

一方、140万の算定に債務総額を計算する合算説は採用されず、個別債権で140万の算定をすることが判断されたことは司法書士に有利な内容です。

例えば、合計300万円の借金がある場合でも、その内訳が債権者Xから100万円、債権者Yから100万円、債権者Zから100万円の借金である場合には、個別の債権は全て140万円以下なので、司法書士が代理人となって任意整理を行うことができるのです。

 

一般の方には、理解しにくい点もあると思いますが、相談していただければ、その方に最適な方法をご説明し、当事務所で対応できない案件については提携弁護士をご紹介しますので、お気軽にご連絡下さい!