数年間耳にすることが少なかった「地面師」なる言葉が近年目立っています。

過去のバブル景気の時のように、2020年の東京五輪・パラリンピックを控え、不動産価格が上昇しているので、地面師が巨額の資金を狙っている背景があると思われます。

先日も我々の業界でも非常に注目度が高かった「積水ハウス株式会社 巨額詐欺被害事件」の容疑者が逮捕されたというニュースがありました。

事件の全容解明はこれから進んでいくでしょうが、十数名が関与する地面師グループが犯行に関わったということで、映画にでもなりそうな内容です。

この事件は、積水ハウスが慎重さに欠いた点も多々あるようです。

土地所有者(海老澤佐妃子氏)に成り済ましていた女性に本人確認のため、干支を尋ねたら間違えていたり、長期不在だった理由をその女性に尋ねたら、実家が当該物件所在地のはずなのに、「帰省していた」と返答していたり、積水ハウスの各部署にリスク情報の通知文書が届いていたのに怪文書であるとして無視していたり などなど

利益追求、契約を急ぎ過ぎた結果、このような被害に遭ったと言われても仕方がないところもあります。

ただ、当然犯罪を犯した地面師が一番悪いです。

100%被害を防止できるわけではありませんが、司法書士の立場から、今後不動産取引に絡む詐欺被害・トラブルに遭わないための注意点を述べたいと思います。

・・・次回に続く