先日、ネットニュースで次のような記事がありました。

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金融庁が、銀行の個人向けカードローンの増加に目を光らせている。返済能力を超える過剰な融資が行われている恐れがあり、審査手法などの実態調査を始めた。日銀の金融緩和で住宅ローンなどの貸出金利が低下する中、銀行は高い利ざやが期待できるカードローンに注力してきたが、金融庁は調査を通じて問題があれば改善を促す考えだ。

カードローンは使い道に制限がなく、無担保で借りられる。日銀によると、2016年12月の国内銀行のカードローンなどの貸出残高は、前年末より約1割多い5兆4377億円だった。

金利は借りる人の条件で異なるが、高い場合は年十数%にも上る。年1%を切る水準の住宅ローンなどに比べて魅力的で、多くの銀行が事業を拡充している。

ただ増加の裏には利用者への行き過ぎた貸し出しもあるとみられ、日本弁護士連合会は昨年、過剰な融資の防止を求める意見書を金融庁などに提出した。日弁連によると、収入のない人が収入証明を求められることなく300万円借りるケースなどが起きているという。

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毎日多様な借金相談を受けますが、最近の傾向として、①相談者の若年化が進んでいること、②借入している消費者金融会社の数はそこまで多くないことが挙げられます。

②は、かつて消費者金融を中心に複数業者から借金を重ね多重債務に苦しむ人が増加した結果、2006年に貸金業法が改正され、原則年収の3分の1を超える貸し付けを禁止する、所謂「総量規制」が導入されたからであると考えます。

実際、借金を5件以上抱える多重債務者の数は、ピークだった約10年前の180万人から9万人にまで減少しています。

一方で銀行(特にネット系銀行)カードローンにより収入に見合わない多額の借金を抱えている相談者が散見されるのも事実です。

銀行は「総量規制」の対象外なので貸付制限がかからないのでしょうが、多重債務者の発生防止のため、記事にあるように金融庁の指導を期待したいところです。