保証人が債権者に保証債務を弁済した場合、主たる債務者の債務を肩代わりしたことになりますから、当然、「自分が払った金額を返せ」と請求することができます。

これを「求償権」と呼びます。

求償できるわけだから、保証人になっても大丈夫ということにはなりません。

主たる債務者が手を上げた結果、保証人が弁済しなければならなくなったわけですから、主たる債務者に求償しようと思っても、主たる債務者が行方不明であるとか、財産が一切ないということになるので、求償しても払ってもらえないのが現実なのです。

 

最後に、保証人になった場合でも債務を免れることができる方法をお伝えしておきます。

保証債務の消滅時効(消滅時効については【15】~【17】「時効のお話」を参照して下さい。)が完成した場合だけではなく、主たる債務の消滅時効が完成しているのであれば、保証人は自身の立場で援用することができます。

時効の利益はそれを受ける人ごとに判断されますから、時効が完成した後、主たる債務者がその債務を承認していても大丈夫です。

主たる債務が消滅すると保証する必要がなくなりますから、自動的に保証債務も消滅することになるのです。

また、相続で保証債務も承継してしまう場合がありますが、これも相続放棄の手続きをすることによって、保証債務を負わないことができます。

相続財産を調査の上、検討されるべきでしょう。

 

以上、「保証」について説明してきましたが、第三者のためにご自身の人生を大きく左右してしまうことになる契約ですから、くれぐれも慎重に判断するようになさって下さい。